コラム
タンクレストイレ? タンク式トイレ? それぞれの異なる特徴
リフォームでトイレを選ぶとき、タンク式トイレ と タンクレストイレ、
どちらがいいの?どんな特徴があるの?
価格帯・デザイン性・設置スペース・手洗い器の有無・掃除のしやすさ等それぞれ異なる特徴が多くあります。
ご家庭の利用環境やニーズに合わせ、優先順位をつけて選ばれるのが良いと思います。
タンク式トイレとタンクレストイレのそれぞれ特徴をご説明します。
タンク式トイレの特徴
1.水量が安定している
タンクに一度水を水を貯水してから流すので、一般的に水圧が低い場所や古い建物でも安定して使えることが多いです。災害時でも水道が利用できる状態であれば、低水圧でもタンクにさえ貯水できれば、流すことが可能となります。( ※デメリットとしては、連続使用する場合には水が貯まるまで少し待つ必要があります。)
2.手洗い器が省スペースで設置できる
タンクレストイレの場合は手洗い器は別で設置する必要がありますが、手洗い器ありのタンク式トイレを選べば、狭いトイレでも設置可能です。(※ デメリットとしては、①手を洗うことにより、長期使用の場合にタンク内に汚れやカビが蓄積する ②小さいお子様にとっては位置が高く、手を洗いにくい事がある )
3.比較的リーズナブルな商品が多い
タンク式トイレは昔から普及しているトイレであり、シンプルな構造な為、どこのメーカーも比較的リーズナブルな価格帯の商品が多いです。そのため予算を抑えたい方には適しています。
4.シンプルな構造で比較的修理しやすい
タンクレストイレと比較して部品の数が少なく、タンク内の部品を交換すれば修理が可能です。また部品も長期で提供されているものもあり、実際に30年以上使用しているようなタンク式トイレでも修理して継続的に利用しているケースは多いです。
5.ウォシュレット(温水洗浄便座)のみ交換できる
タンク式トイレの場合は「組み合わせ便器」といって、便器とタンク・普通便座やウォシュレットを別に選んで組み合わせるタイプのトイレです。ウォシュレットの寿命は一般的に10年程度と言われており、タンク部品と比べると交換頻度が高いです。ウォシュレットのみの交換が可能な為、タンク式トイレは修理すれば長く使用することができます。またウォシュレットはシンプルな商品から高機能な商品まで、選択肢が多いこともメリットです。
タンクレストイレの特徴
タンクレストイレは、便器の上に設置されている洗浄用の大きい貯水タンクがないトイレの事です。貯水タンクがない代わりに、給水管から直接水を供給します。代表的な商品では、LIXIL サティス、Panasonic アラウーノ、TOTO ネオレスト があります。TOTOのネオレストは唯一、便器内の小型内蔵タンクの水を加圧ポンプで押し出す「ゼット洗浄」と 水道直圧式の「トルネード洗浄」の2つを組み合わせた「ハイブリッド式」を導入しています。各メーカーによって、機能が少し違うため、TOTOネオレストの場合の特徴をメインに説明させていただきます。
1.デザイン性に優れ、見た目がスッキリ
タンク式トイレのような大きな貯水タンクがない為、便器の奥行がひとまわり小さく、見た目がとてもスッキリしています。またタンクがないことで、空間に広がりを感じられます。デザイン性に重きを置かれる方や、トイレ空間をよりスタイリッシュにしたい方に人気があります。(各メーカー、タンクレストイレは色の展開も多いです)
2.節水性が高い
TOTO ネオレストの場合、1回あたりの洗浄水量は大3.8L 小3.0L であり、業界最高の節水トイレとなっています。ネオレストは渦を巻くような水道直結のトルネード洗浄と内蔵タンクの水を加圧ポンプで押し出すゼット洗浄のハイブリット式だからこそ、少ない水で効率的な洗浄を実現しています。他メーカーのタンクレストイレでは、Panasonic アラウーノ で 大4.6L~5L 、LIXIL サティス で 大5L~6という洗浄水量になっています。
昔のタンク式トイレと比較しても、1990年代頃までのトイレは、大洗浄で13Lが主流で、2000年代のトイレで 大8Lが主流でした。現在のタンク式トイレで超節水型のもの(TOTO ピュアレストEX等)で 大4.8L となっている為、ネオレストの大3.8L という使用水量がいかに節水できるか、お分かりいただけると思います。
3.お掃除しやすいデザインと機能
タンクレストイレは、タンク式と違い凹凸が少ないため、お掃除がしやすい商品が多いです。
機能的にはアラウーノやサティスの一部機種の場合は、中性洗剤を利用して泡立ちを作り、尿はねを抑えたり、泡洗浄をするような性能のトイレもあります。
ネオレストの場合は、お掃除のしやすさに特に力をいれています。TOTOは独自の技術で、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して生成される次亜塩素酸という成分の「きれい除菌水」を使っています。自動で便器にふきかけて除菌・分解・漂白することにより、便器内黄ばみよごれ・黒ずみ汚れを抑制する作用があります。衛生上気になるウォシュレットのノズルにも「きれい除菌水」を使って除菌する「ノズルきれい」という機能、汚れがたまりやすい便器裏の「フチ」をなくしたり、便座は継ぎ目のない「クリーン便座」を作ったりと、とにかく掃除しやすいトイレ・清潔なトイレといえば、おすすめはネオレストです。
4.連続使用ができる
タンク式トイレの場合は、タンクに水がたまるまで時間が必要です。ご家庭にトイレが1台しかない場合、朝のトイレラッシュ時など…次に利用する方がすぐに使いたいケースが稀にあると思います。その際に連続使用できるサティスやアラウーノなどのタンクレストイレであれば、すぐに使うことができます。ネオレストの場合は小さい内蔵タンクがあるので、少しだけ時間がかかりますが、個人的にはタンク式トイレのように気になったことはありません。
5.デメリット
- 高性能な上位機種のため、価格帯も高くなる。
メーカーによって様々な機種があるので一概には言えませんが、高性能なタンクレストイレは、価格帯も高くなります。TOTOネオレストの場合、一番低価格である「ネオレストRS1」で定価で317,000円~(税抜き)となっております。※2024年11月時点での定価です。
- 手洗い器を別で設置する必要がある。
タンク式トイレ(組み合わせ便器)はタンク上に手洗いを付けることができますが、タンクレストイレは別途、手洗い器を設置する必要があります。既にトイレに手洗い器が設置されていれば問題ありませんが、トイレ内に新しく手洗い器を「単体」で設置したい場合には、壁や床をめくる大工工事や、手洗い器用の給水管・排水管を新設する配管工事が必要となります。
しかし、専用の手洗いカウンターがトイレまで壁続きで一体となったユニットも各メーカーで別途用意されています。予算と設置スペースが確保できれば、一体型のユニットでタンクレストイレを設置することができます。
- 水圧が低すぎると設置できない場合がある。
タンクレストイレは、設置する場合に一定の水圧が必要です。メーカーや機種によって異なりますが、TOTOネオレストの場合は、0.05Mpaの最低水圧が確保されている必要となります。他メーカーでは0.07MPaの少し高い水圧が必要となる機種もあります。
給水圧力が弱くなる原因は様々ですが、マンション高層階で水圧が落ちている場合、住宅密集地や高台・店舗の多い地域など立地が原因の場合、築年数が古い物件や重力給水方式(高架水槽方式)の物件の場合などがあります。体感できる水圧の弱さとしては、外のメーター止水栓も、室内の水栓の止水栓もどちらも全開にしているのに「シャワーやキッチン水栓の圧力がとても弱い」といったケースがあり、そのような場合は注意が必要です。
- 温水洗浄便座だけの交換ができない。
タンクレストイレは、温水洗浄便座と便器が一体化した製品であるため、タンクレストイレ設置後に温水洗浄便座部分が故障した場合、タンク式トイレ(組み合わせ便器)のように温水洗浄便座のみ脱着・交換はできません。故障した場合、メーカーへ修理依頼をする必要があります。
- 部品の提供がなくなった時、トイレごと交換する必要がある。
シンプルな構造のタンク式トイレとは違い、タンクレストイレは部品の数がとても多く、電子制御している部品も多いです。TOTOの場合「補修用性能部品の最低保有期間」が定められており、トイレは「生産終了後 10年」とHPにて記載があります。※ 一部の部品は生産終了後 15年です。生産終了時期や最低保有期間後の在庫などは、メーカーの判断のため、予測できませんが、かなり年数が経って故障したとき、部品がなくなっている可能性があります。※ 補修用性能部品とは、製品の機能を維持するために不可欠な部品で、使用期間中に取り替えの必要が発生する可能性が大きいものです。
タンクレストイレ or タンク式トイレ
- 「毎日、快適に使うもの」だからこそ
タンク式トイレ、タンクレストイレ、ともにメリット・デメリットを正直に解説させていただきました。どちらにするか悩まれている際、メーカー資料を確認されると思いますが、ほとんどメリットしか記載がありません。注意事項は、注釈で小さい文字で書かれており、なかなか全てに目を通すことは少ないと思います。しかし、トイレは「毎日、長い期間にわたり、快適に使うもの」であり、本当に納得して選んでいただきたいと思います。
- 選ぶにあたり
タンクレス・タンク式トイレを選ばれる際、まずは、価格帯・設置スペース・手洗い器の有無・デザイン性・掃除のしやすさ等それぞれの特徴をふまえ、ご家庭の利用環境やニーズに合わせ、優先順位をつけて選ばれるのが良いと思います。
トイレがまだ故障しておらず、時間に余裕のある方は、メーカーのショールームに行き、実際に様々な種類をトイレを見ていただくのが一番わかりやすいです。予約して行く場合、ショールームアドバイザーが商品紹介をしながら一緒に回っていただく事も可能です。最後に時間があれば、アドバイザーが設置条件等をヒアリングしながら、ご希望の商品の定価見積書・提案書等をいただけますので、持ち帰って比較検討されるのが良いと思います。
アルファ物産は、尼崎市・伊丹市を中心とした「阪神間」で地域密着でリフォーム工事を行っております。
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リフォームをお考えの方はぜひ一度お問い合わせください。